内窓の補助金2026年度版|国100万円・東京都200万円を正しい順番で使う方法

省エネ知識

内窓の補助金は、2026年度で仕組みが大きく変わりました。

国の制度「先進的窓リノベ2026事業」は、上限額が200万円から100万円へ半減。一方で東京都の制度は、逆に130万円から200万円へ増額されています。神奈川県は経費の3分の1または15万円の低い額。

同じ内窓工事でも、住んでいる自治体と、組み合わせる制度によって実質負担は大きく変わります。本記事では、国と東京都・神奈川県の制度を整理したうえで、実際にいくらになるのかを試算。そして、申請の順番を間違えると助成が消えるという、東京都特有の落とし穴もお伝えします。

内窓の補助金、2026年度はここが変わりました

まず結論です。2025年度の情報のまま検討している場合、見直しが必要です。

変更点 2025年度 2026年度
国の補助上限 1戸あたり200万円 1戸あたり100万円
内窓Aグレード(Uw1.9以下) 補助対象 補助対象外
特大サイズ区分 なし 新設(サッシ4.0㎡以上)

とくに注意したいのは2つ目。これまで補助対象だったグレードの内窓が、2026年度からは対象外になりました。「去年調べたときは対象だった」という製品が、今年は補助を受けられない可能性がある。

一方、東京都の制度は逆方向に動いています。令和7年度の130万円から、令和8年度は200万円へ増額。窓の助成単価そのものも引き上げられました。国と都、それぞれの動きを分けて見る必要があります。

先進的窓リノベ2026事業|制度の全体像

正式名称は「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」。環境省が所管する制度です。予算は1,125億円で、住宅省エネ関連でも最大規模。

既存住宅の窓を高断熱仕様へ改修する費用の一部を補助するもので、内窓設置・外窓交換・ガラス交換が対象です。住宅1戸あたり最大100万円まで補助されます。

対象になる工事・ならない工事

対象となるのは、断熱性能を高める窓のリフォームです。

  • ガラス交換
  • 内窓設置
  • 外窓交換(カバー工法・はつり工法)

製品は熱貫流率Uw値1.9以下、内窓に限ってはUw値1.5以下という性能要件を満たす必要があります。

対象外になる工事もある。とくに間違えやすいのが、次の3つです。

  • 外気に面していない窓の交換(内廊下に面したドアなど)
  • 中古品・展示品を使った工事
  • 施主支給や材工分離による工事

判断に迷ったら、「その工事で断熱性能が高まり、省エネにつながるか」を基準に考えてください。

補助単価はいくら|窓サイズ・グレード別の早見表

内窓設置の補助単価(戸建住宅・1か所あたり)は、次のとおりです。

グレード 特大(4.0㎡以上) 大(2.8〜4.0㎡) 中(1.6〜2.8㎡) 小(0.2〜1.6㎡)
SS(Uw1.1以下) 140,000円 89,000円 58,000円 36,000円
S(Uw1.1超〜1.5以下) 76,000円 52,000円 34,000円 22,000円
A(Uw1.5超〜1.9以下) 対象外

1住宅あたりの補助金額は「単価×施工箇所数」で算出します。1申請あたりの合計補助額が5万円未満の場合は、申請そのものが対象外になる点も覚えておいてください。

申請できるのは施主ではなく、登録事業者

この制度は、施主が直接申請する仕組みではありません。事務局に登録した「窓リノベ事業者」が、施主に代わって申請を行う。

つまり、どれだけ性能の高い内窓を選んでも、依頼した業者が登録事業者でなければ補助を受けられません。契約前に、依頼先が登録事業者かどうかを確認する。これが最初の関門になります。

申請スケジュールと、早期終了のリスク

項目 時期
工事着手可能期間 2025年11月28日以降に着手した工事
事業者登録の開始 2026年3月10日〜
交付申請(予約含む)受付開始 2026年3月31日〜
交付申請の予約期限 遅くとも2026年11月16日
交付申請期限 遅くとも2026年12月31日

ここに書いた期限は、あくまで「遅くともこの日まで」という上限です。予算1,125億円に達した時点で、期間内であっても受付は締め切られます。過去の窓リノベ事業も認知度が高く、申請が集中しやすい制度。

執筆時点(2026年8月中旬)では受付を継続中ですが、予算の消化状況は環境省の公式サイトで毎日更新されています。検討中なら、工事を先延ばしにせず、早めに登録事業者へ相談すること。

最新の消化率は先進的窓リノベ2026事業の公式サイトで確認できます。

東京都:既存住宅における省エネ改修促進事業

令和8年度の拡充ポイント|上限200万円・300万円

東京都は、クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)を通じて、独自の補助制度を実施しています。国の制度とは別に申請できる点が特徴です。

区分 上限額
通常 1住戸あたり200万円
「断熱等+防犯窓」登録製品を使用 1住戸あたり300万円

令和8年度は、窓・ドアの助成単価が増額されたほか、「特大」サイズの区分も新設されました。令和7年度の130万円から、上限額も引き上げられています。

内窓の助成単価表(グレード別)

グレード(熱貫流率) 特大 4.0㎡以上 大 2.8〜4.0㎡ 中 1.6〜2.8㎡ 小 0.2〜1.6㎡
P(1.1以下) 133,000円 106,000円 72,000円 46,000円
S(1.1超〜1.5以下) 82,000円 65,000円 44,000円 28,000円
A(1.5超〜1.9以下) 32,000円 26,000円 18,000円 12,000円
B(1.9超〜2.3以下) 20,000円 16,000円 13,000円 10,000円

ここで注目してほしいのが、AグレードとBグレードの扱い。国の制度ではすでに補助対象外になっていますが、東京都は引き続き対象としています。この違いは次の章で詳しく説明します。

都内に住宅を所有する個人・法人・管理組合が対象者。改修は令和8年4月1日以降に新たに設置するものに限られ、未使用品であることも条件です。

神奈川県:既存住宅省エネ改修事業費補助金

神奈川県の制度は、東京都よりシンプルな設計です。

項目 内容
補助額 補助対象経費の1/3、または15万円の低い額
必須条件 外気に接する窓(玄関ドア等含む)の改修
申請期間 令和8年5月11日〜令和8年10月30日

東京都と比べると上限は控えめですが、国の制度に上乗せする形で使えます。横浜市や川崎市など、市区町村ごとに独自の補助制度が別途用意されている場合もある。お住まいの市区町村の窓口にも、必ず確認してください。

国と自治体、両方使うといくらになるのか【試算】

ここからが本題です。実際の施工事例をもとに、実質負担がどこまで下がるのかを見ていきます。

物件 施工数 費用合計 活用した補助金 補助金額 実質負担
東京都北区・戸建(全窓) 21か所 約132万円 国+東京都+北区 約102万円 約30万円
東京都杉並区・マンション(全窓) 6か所 約92万円 国+東京都+杉並区 約76万円 約16万円
神奈川県横浜市・戸建(全窓) 16か所 約135万円 国のみ 約65万円 約70万円

この3件を並べると、はっきりした差が見えます。北区の物件は、費用合計に対して補助金が約77%。実質負担は3割以下まで下がっている。一方、横浜市の物件は活用できたのが国の制度のみで、実質負担は約半分残った格好。

同じような規模の工事でも、住んでいる自治体でどこまで制度を重ねられるかによって、実質負担は倍以上変わります。これがこのリフォームの最大の特徴です。

国の制度と都道府県の制度は、基本的に併用が可能。さらに市区町村独自の制度がある地域では、3階建ての補助を受けられるケースもあります。工事を依頼する前に、自分の住む自治体でどの制度が使えるか、必ず洗い出してください。

申請の順番を間違えると、東京都の助成は消える

ここは、他の記事ではほとんど触れられていない実務上の注意点です。

東京都の制度には、「設備設置の契約・施工は事前申込受付後であることが条件」という決まりがある。国の制度のように「工事してから申請する」という一般的な感覚で進めると、その時点で対象外になってしまいます。

正しい順番は次のとおりです。

  1. 見積もりを取る
  2. 事前申込を行う
  3. 受付完了を確認する
  4. 契約する
  5. 工事する
  6. 交付申請兼実績報告を提出する

令和8年度は5月29日から事前申込の受付が始まっています。事前申込のあと1年以内に交付申請を行わないと、申込は自動的に無効になる。この点も注意してください。

「まず契約して、あとから補助金を調べる」という進め方は、このリフォームでは通用しません。工事を検討し始めた段階で、事前申込の要否をまず確認する。これが、費用を左右する最初の分かれ道になります。

国では対象外でも、都では対象になるケースがある

あまり知られていない非対称があります。

内窓のグレード 国(先進的窓リノベ2026) 東京都(令和8年度)
P(Uw1.1以下) 対象 対象
S(Uw1.1超〜1.5以下) 対象 対象
A(Uw1.5超〜1.9以下) 対象外 対象
B(Uw1.9超〜2.3以下) 対象外 対象

国の制度だけを見て「Aグレードはもう補助が出ない」と判断するのは、まだ早い。都内であれば、東京都の助成は引き続き受けられます。

もちろん性能の高い製品を選ぶほうが、補助額も断熱効果も上がります。ただし、既存の窓枠の条件や予算の都合で、グレードを落とさざるを得ない場合もある。そうしたケースで、東京都の制度が受け皿になります。

なお、都および公社の他の同種の助成金は重複して受けられません。国の制度との併用は可能。組み合わせを間違えないよう、事前に整理しておいてください。

登録事業者かどうかの確認方法

先進的窓リノベ2026事業を利用するには、契約先が事務局に登録された「窓リノベ事業者」である必要があります。登録していない業者と契約すると、どれだけ高性能な窓を設置しても補助対象になりません。

確認する方法はシンプル。国が運営する補助対象製品・事業者の検索ページで、社名を検索します。契約前にこの一手間を挟むだけで、あとから補助を受けられないというトラブルを避けられる。

見積もりを依頼する段階で「先進的窓リノベ2026事業の登録事業者ですか」と直接尋ねるのも有効です。この質問に即答できない、あるいは曖昧に答える業者には注意してください。

よくある質問

Q. 内窓の補助金はいくらもらえますか?

A. 国の先進的窓リノベ2026事業では、住宅1戸あたり最大100万円。東京都の制度を併用すると、1住戸あたり最大200万円(防犯窓なら300万円)まで上乗せできます。実際の金額は、設置する製品の性能と窓の大きさ、施工箇所数によって決まります。

Q. 2025年度と2026年度で、何が変わりましたか?

A. 国の制度は、補助上限が200万円から100万円に縮小され、内窓のAグレードが対象外になりました。一方、東京都の制度は上限が130万円から200万円に増額されています。

Q. 施主が自分で申請できますか?

A. 先進的窓リノベ2026事業は、施主による直接申請ができません。登録事業者を通じた申請となります。東京都の制度は施主が申請者になりますが、手続代行を業者に依頼することも可能。

Q. 国と東京都の補助金は、同時に使えますか?

A. 使えます。ワンストップ申請という仕組みで、複数の住宅省エネ関連制度を一括申請できる。ただし、都および公社の他の同種の助成金同士は重複して受けられません。

Q. 申請はいつまでに行えばいいですか?

A. 国の制度は、遅くとも2026年12月31日までですが、予算上限に達した時点で早期に締め切られます。東京都の制度は、事前申込を行ってから1年以内に交付申請が必要。どちらも早めの行動が安全です。

Q. マンションでも補助金を使えますか?

A. 使えます。国の制度は戸建住宅のほか、低層・中高層の集合住宅も対象。東京都の制度も、管理組合が申請者になるケースを含めて対象としています。

まとめ|制度は毎年変わる。今年の条件で判断してください

2026年度は、国の上限が下がり、東京都の上限が上がるという、方向の違う変化が同時に起きた年です。去年の情報のまま判断すると、対象外の製品を選んでしまったり、逆に使えるはずの助成を見逃したりする。

とくに東京都にお住まいの場合、事前申込の順番を間違えると、200万円の助成そのものが消えてしまいます。工事を検討し始めたら、まず事前申込の要否を確認する。この一手間が、実質負担を大きく左右します。

制度は複雑に見えますが、順番さえ守れば難しいものではありません。登録事業者かどうかを確認し、使える制度を漏れなく洗い出す。それだけで、内窓リフォームの負担は大きく変わります。

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